CES 2011 ではどこを見ても Android だらけだったのだけれど、Android が流行るのは iPhone ユーザにとってもとても良いことだったりする。
iPhone 登場当時、Apple は巨大な電話業界の、とても小さな、思い切り場違いな新参者だった。Apple は(彼らにしては)せいぜい低姿勢で色んな事を探りながらやってきただろう。
smart phone というものが本物になり、iPhone に対抗するため Android を採用するキャリアも増え、競争が生まれた。テザリングのような Apple がコントロールして手控えていたものも解放されるようになる。Apple は低姿勢でいる必要がなくなり、iPhone ユーザはキャリアの制約からも解放される。まず米国で(不評の)AT&T 独占から離れ、Verizon との二本立てになった。(そして僕は Apple のゴールは SIM unlock なビジネスモデルなのだと解釈してる。彼らは携帯電話業界のビジネスモデルを書き換えたいんだ。)
日本がどうなるか判らないのだけれど、米国をはじめとして SIM unlock な状態で iPhone が多く売られるようになったら、結果的に僕は自分が使うキャリアを Softbank から NTT に戻せるだろうと想像してる。僕にはどうも Softbank の印象が良くない。店舗に行くたびに会社不審不信に陥る。iPhone 買い換えの度にワケの分からない相談をしている。契約内容の確認と最適解の検討のために非常に長時間の議論を必要とするのだ。わけが分からない。
悲しいことに(*1) Android は市場では非常な優勢となるだろう。しかしそれは問題ではない。Apple あるいは Apple ユーザは自らが少数派であることを余り問題とせず、ただ良いと思うものを作り続け、また使い続ける事に慣れている。というか慣れすぎてる。
まあ Apple の体重はずいぶん重くなったし、ユーザ層の大半はかつての Apple ユーザとは異なるという話もあるけど。
というわけで面白い事に iPhone ユーザにとっては Android が流行るのは喜ばしいことだったりする。(そんな一面もある)
Android にとってその逆がどうなのかは、ちょっと興味の湧くところだなあ。。
*1僕は Android と iPhone のアプローチで対照的な部分においては、多くのケースで Apple の判断を肯定的に受け止めている上に、Android のモデルが PC マーケットにおけるそれと非常に重なって見えている。僕は Windows / x86 / 互換機、というモデルが技術進歩を止めてしまったと感じている。
2011.01.26