BeOS もっとがんばれ

やはり 90 年代は OS 冬の時代のようだ。一年間で多くのことが起きたが、明るい話題は決して多くない。BeOS もっとがんばれ。
Keywords: [ BeOS, Macintosh, NeXT ]

0003:先のNoteからおよそ一年経った。
NeXT はなんと Apple と合併(NeXT 社は merge と表現している)し、ジョブスが Apple に戻った。現時点でMacOSは余り変化していないが、次代のカーネルは NeXT ベースのものになるとアナウンスされている。
アップルの経営危機説は NeXT との合併でも消えなかったが、iMacが彗星のように現れてこの問題を解決してしまった観がある。

『Be がんばれ』で、僕は「BeOSのデータベースとファイルシステムの融合という考え方は素晴らしい」と書いたが、Beはこのアプローチを最近になって諦めてしまった。世の中に出るまでにBeの新しい試みの幾つかは放棄せざるを得なくなるだろうという予測はあったが、それにしてもこれを外してしまったのは残念だ。
ファイルシステムを必要に応じて新たに作り直すというアプローチは重要だと思う。Beのようにチャレンジしていた数少ないものの一つに Newtonがある。ファイルという概念を捨てて、全てをリポジトリと名付けたデータベース管理システムの向こう側に置こうというアプローチだ。しかしNewtonもAppleのリストラ的経営の前に停止されてしまった。
同じくAppleのOpenDocも、コンパウンドドキュメントのアプローチと共に、ユーザのオブジェクトをファイルシステムから切り離してしまう製品を開発していたが、これも同じく停止された。HPのNew Wave の頃から、コンパウンドドキュメント的な現在のアプリケーション主体のコンピュータ利用からのパラダイムシフトには興味を持っているが、結局どれも成功していない。New Waveは、最後にはOpenDoc のようにOS (Windows 3)上の一つのアプリケーションとして生き残ろうとしたが、それも市場から拒絶されて消えた。
新しいアプローチが生き残るのは難しい。これも冬の時代だ。

その代わりといってはなんだが、つい先日、日立が BeOS プレインストールマシンを売り出した。今後どうなるか予測は付かないが、まだまだ BeOS は死んではいない。もっと頑張れ BeOS 。



Yutaka Yasuda

1998.12.04