Cinema Review

コール

Also Known as:Trapped

監督:ルイス・マンドーキ
出演:ケビン・ベーコンシャーリーズ・セロン、ダコタ・ファニング、スチュアート・タウンゼント、プルイット・テイラー・ヴィンス

金持ちの医者、美しい妻、愛らしい娘。三人を別々の場所に娘を誘拐して身代金を狙う男ふたり。

B級だ。配役からしてB級だ。どうして「彼」が出る映画はB級の臭いがするんだろう。ケビン君。そしてシャーリー君も。
なんというBな組み合わせ。もちろんそのつもりで見た。筋書きもB級っぽく、うまくまとまっていた。ラストのスタントシーンがなかなか派手で、そこに予算を集中したね!というぐらいで、他は実に低予算で押さえられていたし。連れ合いが「できの良い 2 時間ドラマを見た気分」といっていたが言い得て妙、というところかもしれない。

実際のところ、前半僕はかなり不快感を感じながらこの映画を見ていた。それだけの緊迫感、圧迫感を感じていたというわけで、つまりはサスペンスとして良くできていたというわけだ。このあたりは『イナフ』などよりよほど良い。僕は単にJLo見たさに『イナフ』を見ていたからいいが、まあ普通は途中で脱力しそうな内容だと思う。この作品もシャーリー君とケビン君を見にいったようなものだが、役者の魅力か、筋書きの良さか、脱力はしなかった。後半、追っかけアクションシーンになると、この緊張が解けて(!)ちょっと気が楽になった。かなりのストレスを強いられていたというわけで、こういうのはいい。『CURE』で、質はまるきり違うが同様の感覚があったなあ。非常なストレスにさらされた後、パンと射殺するところで安定を感じた。

ある意味、ここで役者がしっかりしないと、ほぼこの密室劇はただの面倒くさい映画になってしまった、ってことで良かったかなと。なにしろラスト近くまで、ほぼ三つの部屋の中だけで進む。『パニック・ルーム』も似た状況だった。

Report: Yutaka Yasuda (2003.12.29)


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