Cinema Review

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監督:行定 勲
出演:窪塚 洋介柴咲 コウ山崎 努、大竹 しのぶ、山本 太郎

ハワイに行くために在日朝鮮人から在日韓国人になったアイツを親に持つオレは当然在日朝鮮人だ。けどオレはいったい何人なんだ?

評価は高かった。しかし見なかった。いつものことだ。ずいぶん経って見る機会ができた。祇園会舘(京都の俗にいう二番館)で掛かったのだ。
テレビのコマーシャルなどで柴咲コウはちょっと僕の頭に引っかかっていた存在だったが(単なる好みという説もある)、『バトルロワイヤル』でもまた少し引っかかった。走ったら結構いいのではないか?
この作品では柴咲君は走ったりしないが、ただその存在感は実に大きい。少なくともテレビコマーシャルで出ていた時よりよほど光っている。華がある。軽くない、深い色で静かに光る華、だ。美人という意味ではそれほどぱっとするものではないのだろうが、その目の威力は実に強い。いいなあ彼女は。

脇役がしっかりしていると全体が締まる。山崎努は怪しげな父親役を実にそれらしく演じる。もはや怪優の領域に近付いていると思う。山本太郎は『バトルロワイヤル』でも出ていたが、この作品も良かった。大竹しのぶも、いわゆる無名の俳優たちもよかった。

窪塚君については、これがまったくの当たり役だったのではないか?という気がする。結局、彼についてはこれ以外の作品で光るかどうか、が重要だと思う。浅野忠信における『FRIED DRAGON FISH』のようになるか?彼は次に『ピンポン』が控えている。楽しみだ。

そして、柴咲君だ。騒音の響くクラブの混雑の中を、彼女はするすると泳ぐように歩いて彼の目の前にやってきた。この先どのように歩いていくのか、それが楽しみだ。

Report: Yutaka Yasuda (2002.06.01)


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