Cinema Review

ELECTRIC DRAGON 80000V

監督:石井 聰亙
出演:浅野 忠信永瀬 正敏
声:船木 誠勝

電気と感応し爬虫類と心を通わせる男、竜眼寺盛尊(りゅうがんじもりそん)。電気を修理し怪電波をキャッチする謎の男、雷電仏蔵(らいでんぶつぞう)。二人の対決を描く。

おかしい。壊れている。なんとも壊れた映画だ。普通は途中で思い直したり我に返ったりするものだが、この作品はまったく後ろを振り返らず、足元も見直す事なく最後までつっ走り、ブチ切れる。その崇高なまでのテンションの高さに、すがすがしさまで感じるぞ。

「ギーター!」と叫べばギターが盛尊の手に飛び込んでくる。彼は毎夜ギターとベッドで放電しないと眠れない。深夜の街の悪人を一撃必殺の電気警棒で暗殺する仏蔵。彼は幼少時に落雷でやられて半身が仏像だ。もう何が何だかわけわからん。

モノクロ映像でこの壊れ具合と言うと、誰もが『鉄男』を想像するだろうが気にしちゃいけない。考えちゃいけない。
ヤリでも降るかと思わせるくらい珍しく、連れが浅野忠信の映画を見に行くと言ってついてきたが、案の定途中で気を失いコックリコックリ居眠りしはじめたがこれも気にしちゃいけない。
僕だって強い光と忙しい映像を見ると眠る癖があるから途中で寝そうになったけど何とか 0.3 sec ほどの失神で凌いだ。あの大音響の中、これだけの睡眠電波を送るとは、さすが雷電仏蔵は鍛え方が違うぜ。

「電気は大切に!」

Report: Yutaka Yasuda (2001.08.31)


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