Cinema Review

アンブレイカブル

Also Known as:Unbreakable

監督:M・ナイト・シャラマン
出演:ブルース・ウィリスサミュエル・L・ジャクソン

先天的に骨がもろく、転倒するだけで骨折してしまう男は、決して傷つかない真のヒーローを探し続けていた。そしてついに列車事故でただ一人生き延びた男をみつけた。彼こそヒーローだ。

なんというか、後半残念になってしまった。物語の小道具としてアメコミが使われていたのではなく、物語の筋そのものがアメコミ的に非現実のものだったからだ。『Fight Club』での似たような感覚がよみがえる。

劇中、子供が父親に銃を向けるシーンがある。これを非現実的と感じる直感と、それが今のアメリカの現実なんだと自分に言い聞かせている理性が奇妙に平衡している。現実とは何と非現実的なものか。不思議な安心感と不安感。

父に銃を撃っても弾は跳ね返ると信じる子供は現実とコミックスを混同している。しかし決して傷つかないヒーローはこの映画の中では現実だ。そしてそのヒーローを探す男もまた現実と虚構を混同し、社会正義を果たすためのヒーローを探すためにテロを行なう。その行動は子供が向ける銃と同じだ。

もちろん「混同」という言葉にはこちらが正しくあちらが間違っているという前提がある。両者に境界はないと仮定すると、フラフラしているのは僕の方だということになる。僕自身が自分の足場を確かめるために境界線を求めている。

偶然だが今朝の新聞にはアメリカで女子高校生が級友に向けて学校で発砲と書かれていた。現実とは何と非現実的なものなのだろう。とにかく僕らはそんな世界に生きている。嫌だ。

Report: Yutaka Yasuda (2001.03.25)


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