Cinema Review

ライフ・イズ・ビューティフル

監督:ロベルト・ベニーニ
出演:ロベルト・ベニーニニコレッタ・ブラスキジョルジオ・カンタリーニ
音楽:ニコラ・ピオヴァーニ

人生は美しい−−タイトルのとおり、これは明日をも知れない極限状態に置かれながらも、決して人生の価値を見失わず、豊かな空想力を駆使して愛する家族を守り抜いた、勇敢な男の物語である。

私が映画を見て涙を流すことは結構ある。しかし、おお泣きした映画は数少ない。
この映画はその一本となった。
初めて泣きじゃくったのは『ジャック・サマースビー』だった。ラスト寸前から涙が止まらなくって、映画館が明るくなっても泣いていた。そして『夜半歌謦』は真ん中あたりから泣きっぱなしで、胸が痛いほどだった。映画でこんなに泣けるなんて・・・
そしてこれが久しぶりのおお泣き映画。ただ、一人で見にいったので、ちょっと恥ずかしくて一生懸命嗚咽が漏れるのをこらえていた。
でも、あとからあとから涙があふれ出て、呼吸ができないのだ。
この映画を見ようと思ったのは、アカデミー賞授賞式を見たときだった。
今年のノミネート作品に知ってる映画がなくてあんまりおもしろくないかなあ、と思いながら、いろんなスターが見られるのでそれを楽しみに見ていた。
そのとき、この映画のワンシーンを見た。そして喜び、しゃべりまくるロベルトを見た。
決して派手な映画じゃないし、俳優も地味で見た目がかっこいいとか、きれいな女優さんとかそんな人は映らない。なのに幸せそうな俳優の表情が強く心に残り、絶対に見たい!!!と思った。
最初から最後までコメディーだった。そしてロマンチックなおとぎ話だった。ロベルトが魔法をかけているようだった。
「お姫様」との出会いもそうで、どんどん主役の2人に魔法がかかっていく。幸せで、楽しい。
「お姫様」が目を丸くするように、私もロベルトの魔法に目を丸くし、口をあけ、幸せな気分だった。そして「ぼうや」にも魔法がかけられる。
私は勉強不足でユダヤ人迫害については詳しくは知らない。知っておくべきだとは思うけれど・・・
収容所の中でもロベルトの魔法は続く。やっぱり幸せなコメディーだ。ただ違うのは、だんだん笑顔の中に涙があふれ、笑いながら口がゆがみ、胸がしめつけられていくこと。
「ぼうや」はずーっと魔法にかかったままだった。収容所の中で「ゲーム」に勝ち、1等賞の戦車を手に入れた。そう、ロベルトの魔法は本物だったんだ!
ラストの笑顔にロベルトの笑顔はない。でも、映画は幸せいっぱいで終わる。
幸せと悲しみで顔がゆがみ、胸が痛い痛いラストだった。
そう、この映画は私に久しぶりに「おとぎ話」を見せてくれた。
ロベルトのような魔法をかけてくれた人はいないけれど、違う魔法をかけてくれる人はいる。自分1人では見られないものを見せてくれる、感じられないものを感じさせてくれる。
これを私は大事にしたい。
人生は美しい!私もそんな人生をおくりたい。

Report: 元ミス祇園会館 (1999.06.23)


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