Cinema Review

もういちど逢いたくて

Also Known as:星月物語

監督:ダニエル・リー
出演:常盤 貴子レスリー・チャンミシェル・ヨー

なくした恋人と瓜二つの男に香港で出会った女の数日間。すごくありふれたラブストーリーに今ふう香港スパイスを入れた佳作。

このレビューの読者なら僕が貴子様のファンであることは重々承知だろう。だからこのレビューを読むまでもなくその内容がカケラもないことは簡単に想像がつくだろう。あああっ、貴子さまっ。

お約束の前置きはともかく、レスリー・チャンは相変わらず美しい。ヒタイがちょっと後退しているような気がするが、相応の歳でもある。常盤貴子もかなりの美人だ。ただ個人的にはデビュー頃の彼女の方が良い。最近少し痩せすぎた。香港では日本のテレビドラマが片っ端からビデオなりなんなりで出回っているから、テレビドラマの主演が相次いだ彼女は相当な知名度があったはず。レスリーとの共演は彼女自身が望んだそうだが、香港側にしても結構ありがたいキャスティングだったのかもしれない。
特別出演で、『Tomorrow Never Die』のボンドガール(?)、ミシェル・ヨーが出ていた。アクションがあるわけじゃないが、良い雰囲気で現実感がある。

内容的には、ある意味予想どおりの出来だったと言える。中篇、佳作、なんと言うのがいいのだろう。映像は自然できれい、主演は美男美女でこれまた自然。ただいまひとつ盛り上がりには欠ける。間違ったところはないが美点にも欠ける、という印象。岩井俊二の一部の映画にも似た印象を感じた記憶がある。何か感じるための核がないのだ。
この気分は同じく僕がファンであるジョイ・ウォン映画を見た時に似ている。つまり「ああっ」とファン気分で見るだけで、それ以上特に何もない、と言うわけだ。もちろん僕はジョイ・ウォンを見に行ったのであって、それ以上が得られなくても文句はない。『四月物語』は松たか子を見に行ったのであって、、(以下同文)

貴子さまについては、毎度演技が駄目とか喋ると駄目とか脚がまっすぐじゃないとかいろいろ気になることもあるだろう。が、まま、ここはひとつ貴子さま観賞映画として、彼女の映画初出演作を歓迎しようではないか。彼女は美しかった。写真集も出たそうなので、きっと香港では人気が爆発していることだろう。

ところで選曲はださい。回想シーン(実にわかりやすくモノクローム)で突然誰もが聞いたことがあるバラード(Just when I needed you most)が流れ始める。これは後にまた再現される。それも実にわかりやすいシーンで。
どうしてこうなるのだろう。ここしばらくの香港映画の流行なのだろうか。『恋する惑星』ではCalifornia dreamin'が使われていた。

Report: Yutaka Yasuda (1999.06.20)


[ Search ]