Cinema Review

ファンシイ・ダンス

監督:周防 正行
出演:本木 雅弘、鈴木 保奈美、竹中 直人

寺の長男である主人公は、修行のために仕方なく一年間、寺に入ることになった。修行なんか適当でいいと思っていた彼だが、持ち前の美意識から寺の生活に美しさを感じはじめていく。もうどうでも良くはない。

周防監督と言えば、『Shall We ダンス?』が売れて非常に有名になったと思うのだが、僕がこの監督の作品を最初に見たのは、この作品だ。
しかし劇場ではない。確か、続く『シコ踏んじゃった』よりもっと後に、テレビ放映で掛かったものを見たのだ。どうも見る気にならなかった。『シコ踏んじゃった』もかなり後になってからビデオで見たように思う。思えば『Shall We ダンス?』もそうだ。何故なんだろうか。。

ところで今並べた三つの作品は、どれも半分は How To もの的要素がある。つまり作品を見る大抵の人達にとって身近でない、「寺(特に修行寺)」「相撲(それも学生相撲)」「ダンス(これまた社交ダンス)」などの世界に主人公が入っていく、その過程をストーリーの骨にしたものだ。どれも分かりやすく、主人公がその世界でイレ込んでいくことで、自己を確立していく姿には共感が得られやすいと思う。

で、きっとそのせいで僕は余り見る気にならなかったのだろうと思う。

まあその辺りは置いて、それでもなおこの作品は面白いと思う。さきに挙げた三つの作品の中では最も面白いと思う。本木雅弘というのはいい俳優だなと思ったのもこの時だ。そう、本木君がいいのだ。鈴木保奈美はこの際どうでもよろしい。竹中直人もひとまずおいて、周防監督が好きじゃない人でさえも、まずは本木君を見るために。見るべし。

Report: Yutaka Yasuda (1998.01.31)


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