Cinema Review

ショーシャンクの空に

Also Known as:Shawshank Redemption

監督:フランク・ダラボン
出演:ティム・ロビンスモーガン・フリーマン

スティーブン・キング原作の映画化

スティーブンキングといえば一貫してホラーのイメージが強いが、この映画は彼にしては珍しいアンチホラー映画だった。(しかし『スタンドバイミー』もアンチホラーの部類ですね)しかし、94年度アカデミーは間違いなしと本命視されていたものの、作品賞・主演男優賞をはじめ6部門もノミネートされていたのにもかかわらず、すべて『フォレストガンプ』に惨敗。(納得できない。私なら間違いなく『ショーシャンクの空に』を選ぶのに!)個人的に非常に悔しい思いをした作品である。

ストーり的にも多くの事を考えさせられる、深い深い意味を持った映画。近ごろ意味の持たない映画が氾濫するなかで、これほど重みを持った映画はさて、他にどれほどあるだろうか?そしてそこには、辛い辛い現実のなかで繰り広げられる笑いのシーンと(これには、随分救われた)人々の暖かさ、和やかさがあった。主人公の強い希望は人々を勇気づけ、それが、スクリーンの中の人々だけではなく、こちらにいるオーディエンスの心にも響渡った。希望と絶望、死と生、悪と善、多分この3点が、この映画の大きなテーゼだったのだろう。ラストシーンの気持ちの良い位のあざやかさ、みごとさは拍手もの。とにかく、涙がでるという部類の感動作ではなく、しみじみとよかったなぁと思える傑作だった。そう、2時間半もあったのにもかかわらず、映画にのめり込んでいた私は凄く時が短く感じたのだ。

Report: Yuko Oshima (1997.01.11)


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