Cinema Review

トロン

Also Known as:TRON

監督:スティーブン・リスバーガー
出演:ジェフ・ブリッジス

コンピュータエンジニアが突然電子の世界に取り込まれてしまう。彼はプログラムとなって電子の世界を走り回る。

1982年の制作です。僕が高校生の時に見たような気がします。ロードショーを劇場で見ました。コンピュータに興味を持ちはじめた僕の期待の映画だったのです。技術的には今はもう見るべきものはないかも知れませんが、技術に「使われる」ことなく鑑賞用の表現の手段としてコンピュータグラフィクスを「使って」います。

当時はまだ国内では富士フィルムが初めてCRAY-X MPを利用してワイヤーフレーム的なアニメーションをテレビコマーシャル向けに作っていた位で、全然コンピュータグラフィクスは一般的じゃなかったのでした。日本の手鞠が糸からつむぎ出されて出来上り、ぽーんと跳ねる映像だったのですが、御記憶の方いらっしゃいますか?
当時はもうSIGRAPHは始まっていたっけ?まだじゃ無かっただろうか。そんな時代に劇場用映画でコンピュータの中の電子世界をコンピュータグラフィックで描く!見に行かないわけには行きません。

まさに金字塔です。まだ見ていないコンピュータ技術者は必見です。でも詰まらないです。きっと。

役者は全然記憶にないのですが、ジェフ・ブリッジスというのは聞いたことがあります。『タッカー』『スターマン』などに主演していますね。でもこの作品では主演ではありません。

製作はディズニーです。ディズニーの映画部門は恐らく伝統的なアニメーションに代わるものとしてコンピュータグラフィクスによるアニメーションの使い道を模索していたのではないかなと思います。ディズニーの映画部門は時々面白いことをする。『遊星からの物体X』とかね。

ところでこの作品中に宇宙船のようなものが走るシーンが有るのですが、これが何故か『バロン』のワンシーンと似ているような記憶があるのですが、勘違いでしょうか?

Report: Yutaka Yasuda (1995.05.26)


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