Cinema Review

JM

監督:ロバート・ロンゴ
出演:キアヌ・リーブス、ドルフ・ラングレン、北野武

自分の過去の記憶を抜き取り、そこに情報を詰め込んで情報を運ぶ「運び屋」がトラブルに巻き込まれる。

私はこの映画、ちょっと気に入ってしまいました。途中人の体が切られたり刺されたりするえぐいシーンが幾つか有るので、そう言うのが苦手な人にはちょっと駄目でしょうが、それ以外の人にはお勧めできるかも知れません。

主演は『スピード』で一躍スターになってしまったキアヌ・リーブスです。助演にドルフ・ラングレンや北野武(ビートたけし)が出ています。

スピード』のようなアクションはそれほどなく、見ようによってはB級SF映画に見えます。頭にジャックを突き刺して 80GB しか入らないおつむにdoublerと呼ばれるソフト(?)をインストールして 160GB 入るようにするというのが笑えます。その後 320GB をアップロードしてオーバーロードに苦しみ出すと言うのはもっと笑える。でもありそうだなあ。うん。しかし高々ギガバイト単位しか入らないとは!

僕が気に入った原因は恐らくシド・ミードのデザインのせいでしょうか。彼はブレード・ランナーのデザインもやっていたはず。因みに原作はサイバー・パンクの元祖、『ニューロマンサー』を書いたウィリアム・ギブソンの『Johnny Mnemonic』です。映像化不可能と言われ続けてきたサイバーパンク作品初の映画化ですね。
やっぱりチバ・シティが登場します。(^_^!)

サイバー空間(電脳空間)の最初の表現で、堂々と Internet 21?? 年などと表記されています。うーむ、インターネットの行き先はサイバー空間だったのか!(これは僕の予測とも一致しています。(^_^)v )
それよりキアヌ・リーブスが立体グラフィカル・ユーザ・インタフェイスを使っているのが面白かったです。エージェント指向と言うアイディアはないのね。(^_^!)

でもこういう電脳空間と言うのが比較的実感を持って見ることが出来るようになったというのは驚きですね。今台湾にアクセスして記録を見て、そこから今度はニューヨークで情報漁り、ヨーロッパの知合いハッカーに相談していたらウィルスが邪魔をするという、、、5年前なら冗談でしょうが、今ならその半分くらいはインターネットで実感している。

トロン』が現実になるのはいつの日か。うむむむ。

比較的多くの人に薦められるSF映画でした。はい。まだ見ていない技術系の人はぜひどうぞ。(^_^)v

Report: Yutaka Yasuda (1995.05.25)


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